最近、メールやポップアップなどで見かける「Creemaグロースプログラム」。
正直、メール本文やプロモーションページもちゃんと見ていなかったのですが、今回しっかり内容を調べてみました。。
おおまかに理解すると、商品がクリックされるたびに広告費がかかるプロモーション広告とは少し違うようで、広告をきっかけに売上につながったときに成果報酬が発生する仕組みのようです。
つまり、広告経由で商品が売れたときだけ費用が発生するので、出品者からみるとなんともうれしい話のように思えます。が、世の中そんな甘い話は無いですよね。そこで、「Creemaグロースプログラム」の仕組みやメリット・デメリット、どうしたらうまく運用できるのか?など、自分なりに調べてみました。
グロースプログラムの概要
まずは、「Creemaグロースプログラム」というのはどのようなものなのか。特徴と注意点を解説します。
3つのやさしい特徴
- 売れたときだけ費用がかかる「完全成果報酬型」
一般的な広告は「クリックされただけ」「見られただけ」で費用が発生しますが、このプログラムは広告を通じて売れて、取引(受取完了)が成立したときだけ費用が発生します。「広告費だけ払って1個も売れなかった」という赤字のリスクがないため、初めてでも安心して試せます。 - 初期費用や固定費は「0円」
登録料や毎月の固定費はかかりません。広告経由で売れたときにだけ、その作品売上の20%(税抜)がプログラム利用料として発生し、売上から自動的に差し引かれます。
※なお、作品1点あたりの利用料の上限は1万円までと決まっています。 - 設定は「ON」にするだけ、運用はすべておまかせ
難しい広告のターゲット設定や予算配分などは、Creemaがすべて自動で最適化してくれます。あなたは設定画面のボタンをONにするだけで、あとは作品づくりに集中できます
知っておきたい注意点
- 広告に出す作品は選べない
「この作品だけ広告に出したい」という個別設定はできず、出品しているすべての作品が広告の対象候補になります。 - 月の予算上限は設定できない
「今月は広告費を5,000円までに抑える」といった予算の上限設定はできません。 - 売上の手残り(利益)に注意
売上の20%(税抜)が引かれるため、もともと利益率(粗利)が低い作品は、売れても手元に残るお金が少なくなってしまう可能性があります
プロモーション広告との違いは?
Creemaで使われる広告には、一般的な「クリック課金型」の広告や、これまで提供されていた旧サービス「Creema外プロモーション」があります。
これらと、新しく始まる「Creemaグロースプログラム」の主な違いは、「費用の仕組み」と「運用のルール」の2つの視点に分けるとすっきり理解できます
一般的な広告(クリック課金など)との違い
- 一般的な広告(Creema内プロモーションなど)
広告が「表示されただけ」「クリックされただけ」で費用が発生します。購入されなくてもお金がかかるため、費用だけが先に出ていくリスクがあります。 - グロースプログラム
広告経由で実際に売れて、受取完了(取引成立)したときだけ費用が発生します。閲覧やクリックされた段階では1円もかからないため、赤字になる心配がありません。
従来の「Creema外プロモーション」との違い
9月1日以降、これまでの外部向け広告サービスは終了し、新しくこの「グロースプログラム」に生まれ変わります。 変更点は大きく分けて5つあります
| 比較項目 | 従来の「Creema外プロモーション」 | 新「Creemaグロースプログラム」 |
|---|---|---|
| 手数料(広告費用) | 決済総額の33%〜40% | 決済総額の20%(税抜)に下がります |
| 参加するための条件 | Creema内プロモーションを直近30日間で「5,000円以上」利用していること | 条件なし(誰でも使えます) |
| 予算上限の設定 | 月ごとの予算上限を設定できた | 設定不可(売れた分だけ手数料が発生) |
| 作品ごとの配信設定 | 作品ごとにON/OFFを選べた | 設定不可(全作品が自動で配信候補に) |
| お支払い方法 | クレジットカード払い / 売上金払い | 売上金払いのみ(売上から自動精算) |
新しく始まる「グロースプログラム」は、手数料が20%(税抜)に下がり、内規広告の利用縛りもなくなったため、以前よりずっと挑戦しやすくなりました。
その代わり、「特定の売れ筋作品だけをONにする」「広告費を数千円に抑える」といった細かなコントロールはできなくなったのが大きな違いです。
出品者から見た「Creemaグロースプログラム」のメリットとデメリット
のプログラムは、従来のサービスから仕様や費用が大きく変わっているため、しっかり理解した上で参加を判断することが大切です。
出品者(作家)の視点から、新しく始まる「Creemaグロースプログラム」のメリットとデメリット(注意点)を整理しました。
出品者から見た「メリット」
- 広告費だけが先に出ていくリスクがない
一般的な広告と違い、クリックや表示だけでは費用が発生しません。広告を経由して実際に作品が売れ、取引が完了したときだけ費用(成果報酬)が発生するため、赤字のリスクなく安心してプロモーションを始められます。 - 登録料や固定費は「0円」
初期費用や月額固定費は一切かかりません。 - 手間なし!ワンクリックでプロモーションが完了
設定ボタンを「ON」にするだけで、広告のターゲット設定、予算配分、クリエイティブ(広告素材)の最適化などはすべてCreemaが自動で行ってくれます。運用の知識や手間がなくても、作品づくりに集中しながら露出を広げられます。 - 誰でもすぐに使えるようになった(参加条件の撤廃)
従来の「Creema外プロモーション」では「直近30日間に他の広告(内規広告)を5,000円以上利用していること」という厳しい条件がありましたが、これが撤廃され、誰でも利用可能になりました。 - 手数料(広告費)が安くなった
これまでの外部広告は決済総額の「33%〜40%」という非常に高い手数料でしたが、今回のプログラムでは「税抜20%」に引き下げられました。また、1注文(作品1点)あたりの手数料の上限は1万円までと決まっています。 - これまで届かなかった新しいお客さまにアプローチできる
Creemaが持つ購買データなどを活用し、Creema外の幅広い媒体や広告ネットワークにあなたの作品を届けてくれるため、新規のお客さまとの接点や販売機会を最大化できます。
出品者から見た「デメリット・リスク」
- 広告を出す作品を自分で選べない(全作品が対象)
「この作品だけを広告に出したい」「利益率が低いこの作品は除外したい」といった作品ごとの配信ON/OFFができません。出品しているすべての作品が自動的に広告配信の候補になります。 - 広告費(手数料)の予算上限をコントロールできない
「今月の広告経由の支払いは1万円までに抑える」といった月ごとの予算上限を設定できません。そのため、広告経由で売れれば売れるほど、手数料(売上の税抜20%)が上限なく引かれ続けます。 - 「広告経由」と判定される範囲が非常に広い
以下のケースでも「広告経由の購入」と判定され、売上の税抜20%が差し引かれます。
・ お客さまが広告をクリックしてから90日以内に購入した場合
・ 他の作家の作品広告からCreemaに入ってきたお客さまが、巡り巡ってあなたの作品を購入した場合 - 手元に残る利益(手残り)が大幅に減る可能性がある
通常のCreema成約手数料に加えて、さらにグロースプログラム利用料(税抜20%)が二重で発生します。そのため、もともと原価率が高く利益率が低い作品の場合、売れてもほとんど利益が残らない、あるいは赤字になってしまうリスクがあります。 - 広告の内容(クリエイティブ)は選べず、責任は作家側にある
広告に使う画像やテキストなどの編集・制作はCreema側が自動で行いますが、利用規約上、その内容に関する責任は作家側が負うことになります。 - 支払い方法が「売上金からの中引き」のみ
従来はクレジットカード払いも選べましたが、グロースプログラムでは、広告経由の売上金から手数料が自動で差し引かれる方法のみとなります。
「グロースプログラム」実際の手数料は?
例えば、作品価格5000円で送料1000円の場合と、送料無料で6000円の場合の、それぞれの手数料(20%)とクリーマの販売手数料などを引くと実際いくらの利益になるのかな?
結論から言うと、同じ「お客さまが支払う総額6,000円」であっても、パターンA(5000円+送料1000円)の方が、手残りの利益が「110円」多くなって得になります。
その理由は、Creemaの「通常の成約手数料」の計算方法にあります。通常の成約手数料は送料にはかからず「作品価格」にのみ適用されるため、送料無料にして作品価格を高くすると、本来かからないはずの送料分に対しても成約手数料が発生してしまうためです。
以下に、消費税(10%)を含めた正確なシミュレーションをまとめました。
(※通常の成約手数料は、一般的な一般作品向けの「10%(税込11%)」として計算しています)
| 項目 | パターンA(送料別) | パターンB(送料無料) | 差額 |
|---|---|---|---|
| 作品の表示価格 | 5,000円 | 6,000円 | - |
| お客さまが支払う送料 | 1,000円 | 0円 | - |
| 決済総額(売上) | 6,000円 | 6,000円 | 0円 |
| ① 通常の成約手数料(税込11%) | 550円 (5,000円に対して発生) |
660円 (6,000円に対して発生) |
パターンBが 110円高い |
| ② グロースプログラム利用料 (税込22% / 税抜20%) |
1,320円 (決済総額6,000円に対して発生) |
1,320円 (決済総額6,000円に対して発生) |
同額 |
| 手数料の合計(①+②) | 1,870円 | 1,980円 | パターンBが 110円高い |
| クリーマからの入金額 | 4,130円 | 4,020円 | パターンAが 110円多い |
| ③ 配送に必要な送料実費 | 1,000円 | 1,000円 | - |
| 実際の手残り(利益) | 3,130円 | 3,020円 | パターンAが 110円多い |
なぜこの差が生まれるのか?
- 通常の成約手数料は「作品価格」にのみかかる
送料をお客さまから別でいただく場合(パターンA)、通常の成約手数料は5,000円に対してのみ計算されます。しかし、送料無料(パターンB)にすると、送料分の1,000円を上乗せした6,000円全体に対して手数料がかかってしまいます。 - グロースプログラム利用料は「決済総額」にかかる
グロースプログラムの利用料(税抜20%)は、送料を含んだ「決済総額」に対してかかります。そのため、どちらのパターンでも手数料は1,320円(税込)となり、変わりません。
運営上のアドバイス
- 採算重視(手残りを増やしたい)なら間違いなくパターンA(送料別)が有利。
- 売れやすさ(マーケティング)重視なら「送料無料(パターンB)」の方がお買い得感があり、広告をクリックした後の購入率(成約率)が高くなる可能性があります。
「手残りの多さ」と「売れやすさ」のどちらを優先するか、ご自身の作品の原価率と相談しながら決めるのがおすすめです。
まとめ:参加するべき?見送るべき?の判断基準
グロースプログラムがおすすめな人
- これまで作品があまり人目に触れず、まずは認知を広げたい方
- 商品の利益率(粗利)が十分に高く、通常手数料+20%を引かれても黒字を維持できる方
- 面倒な広告運用をすべて丸投げして、制作に専念したい方
おすすめしない(使わない方がいい)人
- 薄利多売の作品や、原価率が高くて利益の余地がほとんどない作品を扱っている方
- リピーターが多く、広告を使わなくても自然と売れていく仕組みができている方(リピーターの購入でも、広告経由と判定されて20%引かれてしまうリスクがあるため)