菱目を打っていると、終わり近くで間隔が合わなくなってきて、菱ギリなどで帳尻をあわせる事がありませんか?
今回は、「菱目のピッチに合わせた型紙作り」を解説。ちょっとした事を気をつけるだけで、作業にも作品の出来栄えにも大きく影響されると思います。
例としてカードケースの型紙を作図してみます。
カードサイズ
カードサイズは国際規格で決められており
縦53.98mm×横85.60mm×厚さ0.76mm
というサイズになっているそうです。パスモやスイカも同じらしいので、
このサイズを基準に、パスケースの型紙をつくってみます。
各パーツのサイズを仮決定
パーツは土台(PartsA)と全面のホルダー(PartsB)の2枚。
とりあえず、カードサイズを基に、だいたいのサイズを考えてみます。
各パーツのサイズ
Parts A&B の横幅
まず、カードを縦に挿入するとして、縦幅が約54mmだから、左右3mmの余裕とコバから縫い代までを3mmを加えると、横幅は66mm
Parts Aの高さ
Parts Aは、カードの 横幅が約86mmだから、10mmの余裕と縫い代(3mm)を考慮して99mm
Parts Bの高さ
ホルダー面(Parts B)は、逆にカードが10mm見えるようにしたいから、
86mm - 10mm + 3mm(縫い代)=79mm
といった計算で、だいたいのサイズが決まるわけです
といった計算で、だいたいのサイズが決まるわけです
JW-CADで作図
実際に作図してみるとこのようになります。
Parts AとBを合わせてみて、縫い代をコバから3mmとしてカードを挿入してみると、結構いい感じになりそうです。
ただし、これを4mmピッチの菱目打ちを使って穴をあけていくと・・・
下辺の縫い代は60mmで、60÷4=15 でちょうど良い長さですが、両サイドが問題。
最初の一目は、PartsBのコバ(上辺)に掛かるようにするため、1mm上に入れたわけですから、両サイドの縫い代の長さは77mmとなり、4mmピッチの菱目だと間隔が揃わないのです。
以前なら、間隔が合わない時は、菱ギリなどで帳尻をあわせていたのですが、どうせなら全ての縫い目幅を整えた方がいい。
こういった場合は、菱目の間隔を整えるとかより、パーツ自体のサイズを変えてしまいます。
変えるといっても菱目のピッチ未満ですから1~3mmの変更で済むわけです。
Parts Bの両サイド縦の縫い代が77mmですから、4mmの倍数の80mmになるようにすれば良いわけです。
ということで、Parts Bの高さを3mm長くして82mm。土台であるParts Aの高さも3mm伸ばして102mmに変更します。
サイズを変更して菱目の位置をマークしてみると全ての間隔が4mmで揃えることが出来ました
まとめ
今回は、4mmピッチの菱目打ちを使う前提でサイズを決めています。これが3mmピッチの菱目打ちだと、またサイズが違ってくるわけです。要するに、作図する場合は、最初から菱目打ちのピッチの倍数に合わせたサイズを考えてサイズを決めていけばよいのです。
4mmピッチの菱目打ちを使うなら、縫い代は4mmの倍数になるように決めるというのが良いかと思います。