ステマチ部分の型紙の作図方法とサイズの調整方法

型紙の作成 覚書

ステマチ部分の型紙の作図方法とサイズの調整方法

ステマチを使ったバッグなどの作図方法の問い合わせがあったので、今回はJW-CADでの作図方法とサイズの調整方法をまとめておきたいと思います。

ステマチの部分というのはこういったバッグのマチ部分のこと。

あるいはデブペンケースだとわかりやすいですね。

画像のようなバッグの場合、パーツとしてはマチと帯の2つ。

この2つのパーツの作図方法とサイズの合わせ方を解説します。

まずは、マチ部分。
例として、高さ150mm、幅60mmとしておきます。ちょっとしたポーチくらいです。

「60,150」で四角形を書いて半径30mmで面取りすれば簡単ですね。

マチはこれで良いとして、マチに合わせる帯のサイズを調整します。

Hiro
Hiro

「帯を長めにしておいて、縫い合わせてからカットすれば?」と思うでしょうけど、デブペンケースのような形状だとカットするわけにはいきませんからね。ここはしっかりとサイズをあわせる方法を覚えておいたほうが良いと思います。

マチに対して帯のサイズをあわせるポイントは2つ。

革の厚みを考慮することと、縫い代の長さを合わせること。

ステマチの場合、帯が外、マチが内側になって合わさるので、革の厚みによって調整する必要があります。

そして、革の厚みを考慮して縫い代の長さを合わせること。

縫い代をコバから4mmとして、まずは作図したマチの縫い代を書いてみます。

マチの縫い代を見ると(120mm+41mm)*2 で322mmとなります。

よくある間違いは、このマチの縫い代の322mmを帯の長さにしてしまうこと。

「帯が外、マチが内側」となって合わさるわけですから、曲線部分(41mmの部分)の長さを考慮しなければなりません。

そこで、マチと帯の両方に2mm厚の革を使用するとして、先程のマチの縫い代の外側に革の厚みである2mmの複線を引きます。

これが帯の縫い代の長さで 120+120+88 で328mmとなります。

マチの縫い代が322mmですから6mmほど長くなる計算です

以上の手順で完成した型紙がこちら。

こういった2ツ折サイフの外装と内装のサイズを決める時も同じような考え方で作図しています。

まとめ

手順としては、

  1. マチを作図
  2. マチの縫い代の長さを算出
  3. 革の厚みを考慮して帯の長さを計算

といった手順になります。

【追加】菱目のコマ数を合わせるには?

デブペンケースのような形状だと、マチと帯を仮止めしてから菱目を打つとなると、なかなか骨が折れる作業となります。
そのような時には、予めマチと帯に別々に菱目を打っておき、縫いながら合わせていく方が良いかと思います。

マチと帯に同じ数の菱目を打って縫い合わせていけば、ピタリと縫い合わさります。
ここでは、その菱目を打つ位置の作図方法を解説します。

前に作図したマチと帯のサイズですが、コバから4mmに菱目を打つとすると、マチの縫い代の長さが322mm、帯の縫い代が328mmとなっています。

この6mmの違いは、曲線で重なりあう部分の内と外の差ですから、直線部分はそのまま同じ間隔で菱目を打っていけます。

4mmピッチの菱目打ちを使用するとして、直線部分に4mm間隔でドットを入れていきます。
【分割】ボタンから「等距離分割」「割付」にチェックを入れて間隔を4mmに。

両サイドの直線部分(120mm)に同じ数のドットを打てたと思います。

次に曲線で合わさる部分ですが、外側になる帯が88mm、内側になるマチが82mmと長さが違うので、今度は等角度分割を行います。

なるべく4mm間隔に近いように分割します。帯の方は88mmですので22分割すれば、4mm間隔でピッタリです。

マチの方も同じ様に22分割します。

これで、マチと帯に同じ数でドットが打てたわけです。

あとは、マチと帯、それぞれのドットの位置に菱ギリ等で菱目をうって行けばよいのです。

ちなみに、こういった形状のものだと、縫い合わせていく時に両サイドに別々に縫っていくと形が崩れること無く仕上がります。

おさらい

直線で合わさる部分は等距離分割
長さが違う部分は等角度分割

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