革を自分好みの色に染色出来るようになると、作品の幅も広がりますし、オリジナリティもグッと上がります。
今回もヌメ革をローパスバチックで染色してレザーコートで色止めして仕上げるといった手順を行います。
革の染色については以前の記事でも書いたのですが、この時は染料をスポンジなどで革に塗る方法をとっています。
ただ、ハケやスポンジなどで塗っていくと、どうしてもムラが出来てしまいます。
これはこれで革に表情が現れて良いとは思うのですが、作品によって、あるいはパーツによってはムラ無く均一に染色されていた方が良い場合があります。
ハケやスポンジでも、薄めの色から徐々に濃くして塗り重ねていけば、ムラも目立たなくなるります。
しかし、それだと結構手間もかかりますよね。そこで、今回はもっと簡単に塗りムラもなく綺麗に染色する方法を紹介します。
用意するのは、ローパスバチックなどの染色剤と革が入る大きさの容器。これは料理のバットやタッパなどで充分です。あとは電子計りがあると良いです。
染料をそのまま使うことはせず、水で薄めて好みの色加減に調整します。
後のために水と染料の割合をデータとして記録しておくと良いと思います。
今回はローパスバチックの青を使って、明るめの青に染色しようと思うので、水30g、ローパスバチックを10gとしました。
その水と染料を3対1で割った液をタッパに入れて、ヌメ革をしっかり漬け込みます。
しっかりと革全体が隠れるように漬け込みます。
漬け込んでから1時間後に取り出します。(この漬け込み時間によって色あいも変わるかもしれません。この辺りは経験で)
取り出したら表面の水分を拭き取り自然乾燥させます。
キッチンペーパーの上に置いて24時間後はこのようになりました。
左が銀面、右がトコ面です。銀面は均一に綺麗に染色されて、トコ面も芯通しされた革のように綺麗に染められています。
ただ、実際には芯通しされているわけでなく、革の断面を見ると表面だけ染色されているのがわかります。
この辺りは染色液に漬ける時間にもよるのかもしれません。もう少し、いろいろ試してみる必要があるかと思います。
しっかり乾いたら、仕上げにレザーコートを塗って仕上げます。
これで完成です。
大事なのは、染色する革をしっかり染色液に漬けることなのですが、革の大きさによっては結構な量の染料が必要になってきます。
A4サイズの革を染める場合、薄め具合によってはローパスバチックの半分以上を使う場合もあります。
ただ、使い終わったら捨てないで、ペットボトルなどに保存しておくことも出来るので、その辺りはあまり問題はないとは思います。