トコノールとトコフィニッシュ
レザークラフトで、革の床面(裏面)やコバを磨くときに「トコノール」か「トコフィニッシュ」というものを使います。
革のコバやトコ面の毛羽立ちを押さえて、なめらかにする仕上げ剤です。トコ面に塗ってガラス板などで磨きますね。
「トコノール」も「トコフィニッシュ」も同じ目的で使うので、両方を使い分ける必要は無いとは思いますが、では、どちらを使ったらよいのでしょうか。
トコノールとトコフィニッシュの違いは?
トコノールは『株式会社誠和』から発売、トコフィニッシュは『株式会社クラフト社』から発売されています。
クラフト社の本ではトコフィニッシュでコバやトコ面の処理をしていますからお馴染みだと思います。
トコノールは白いクリーム状で、トコフィニッシュは透明なゼリー状です。
トコノールは白の他、茶や黒などの色付きもあります。
感じとしては、トコノールはスキンミルク、トコフィニッシュはスキンローションを想像していただければわかりやすいかと思います。
個人が使うものの容量としては、トコノールが120ml、トコフィニッシュが80mlというのが一般的です。
価格もトコノールが583円、トコフィニッシュが378円となっています。
※いずれも「レザークラフト材料店 ぱれっと」調べ
「トコフィニッシュよりトコノールの方高い」という方もいますが、容量を考慮すると
1mlあたり、トコノールが4.9円、トコフィニッシュが4.7円となって、価格の差は殆ど無いといえますね。
仕上がり具合の違い
仕上がり具合に違いはあるのでしょうか。
左がトコフィニッシュでヌメ革のトコ面を磨いたもの、右がトコフィニッシュで磨いた直後ものです。
その後、一日おいて落ち着いたものはこちら
ちょっと分かりづらいですけど、わからないほど仕上がりに変わりは無いという感じです。
結局どちらを使う?
もし、「どちらが良いの?」と聞かれたら、「お好きな方」と答えるしか無いかな。
それほど差はなく、使い分けをする必要も無いですからね。
あえて使う分けると言うなら、といっても本当に「あえて」ですけど、大きな範囲に塗るなら、伸びの良いトコフィニッシュ。コバのような細かな部分にはトコフィニッシュだと銀面に垂れる心配もあるので、トコノールを使うといった感じでしょうか。
これも僕の個人的な使い方ですけどね。
実際に両方を使って試されたら良いかと思います。
追記
2020年2月、クラフト社から「トコプロ」というコバ処理剤が発売されました。
トコプロとトコノールの比較はこちらの記事を御覧ください