「芯通ししていない革」のコバ処理
今回はコバ処理。それも芯通ししていない革のコバ処理の方法を覚え書きとして書いていこうと思います。
「芯通ししていない革」というのは銀面だけ染色された革です。
普通にトコプロなどのコバ処理剤で磨くとそれなりに処理は出来るのですが、革の色が革肌に近い色ならさほど問題は無いのですが、革肌とかけ離れた色、たとえばブルー系の色などはチョット違和感があります。
今回は、このような芯通ししていない革や、自分でヌメ革を染色した時などのコバ処理方法を紹介します。
必要な道具
必要な道具は「クラフト染料」や「ローパスバチック」などの銀面の色と合う染料。それとヘリ落としやトコプロなどの普段のコバ処理で使う道具。
コバの処理手順
(1) まずは、ヘリ落としでコバの断面の角を取ります。銀面だけでなくトコ面も行います。
(2) ヤスリでコバをなめらかにします。僕は、革によって800番くらいから1200番くらいまでの紙ヤスリを使っています。ヤスリをかけるときは一方向に丁寧に!
(3) ヤスリで整えたら、綿棒を使って染料を塗っていきます。
この時、綿棒をスベらすのではなく、コバに沿ってコロコロと回しながら、擦り付ける感じで少しずつ均等に塗っていく方がいいと思います。
(4) 染料を塗ったらスリッカーなどでコバを磨きます。(僕はルーターを使いました。)
染料を塗ってコバを磨いただけですが、結構綺麗になります。
ここで再び1200番くらいのヤスリをかけて染料を塗ってコバを磨きます。この作業を納得のいく色になるまで繰り返します。
(5) 色止めにトコプロで磨きます。
(6) 最後にコバワックスで仕上げれば完了です。
自分で染色した水色の革も同様な作業で行いました
以上が芯通ししていない革のコバ処理の方法です。
おさらいすると・・・・
- ヘリ落としでコバの断面の角を取る
- ヤスリで整える
- 染料を塗る
- スリッカーなどでコバを磨く
- (2)~(4)を納得いくまで繰り返し
- トコプロやトコノールで磨く
- 最後にコバワックスで仕上げ
という手順になります。
この方法は僕が普段行っている方法で、いちばん綺麗に行えた方法です。人によって様々な方法がありますので、自分にあった方法を見つけるのが良いかと思います。
普通にヌメ革などのコバ処理はこちらの記事を参考にしてみてください。
補足
以前はコバスーパーを使う方法を好んで行っていた時がありました。
ただ、コバスーパーもちょっと使わないとこのように固まってしまいますからね。なんかもったいない!
一番の問題は上手に塗れるようになるまで練習が必要なこと。結構均等に塗るのは難しいですよね。
僕は未だにうまくいきません。
うまく塗る方法がありましたらご教授お願いします。