デブペンケースの型紙の作り方 各パーツのサイズの決め方

型紙の作成 覚書

デブペンケースの型紙の作り方 各パーツのサイズの決め方

デブペンケースというのは30年以上前のデザインだそうです。

その名の通り、余裕のあるつくりで、ボールペンや万年筆、修正テープや付箋などのかさばるものでも収納できる大容量ペンケースです。

僕は、このスタイルや収納力が非常に気に入ってます

こんなペンケースを自分で型紙から作ってみたいと思いませんか?
実はデブペンケースの型紙はポイントを押さえれば結構簡単で、自分好みにデザインも変えられます。

今回は、デブペンケースの各パーツサイズの計算方法を紹介します。

デブペンケースのパーツ

デブペンケースのパーツとしてはこの3点だけです。

わかりやすいように、各パーツの呼び名を左から「外装」「」「ファスナー部分」としておきます。

たった3点のパーツですが、ゼロから型紙をつくっていくのなら、最初にいくつかの事を決めておくと楽になります。設計図というか仕様書のようなものですね。

最初の設定

(1)使用革の厚み:外装と枠は2mm厚、ファスナー部は1.6mm厚
(2)外装のサイズ(長さ):200mm
(3)枠の幅:16mm

外装のサイズを決める

最初に決めておきたいのは、本体の長さ・幅・高さの3つ。

長さは先に200mmと決めてあります。一般的なボールペンなどの筆記用具を考えると、200mm前後が良いかと思います。

問題は完成時の高さと幅。これが仕上がりの形状を大きく左右します。

例えば、出来上がの形状が、幅56mm、高さ56mmとした場合だと、断面(?)を見るとこのような形が想定されます。

幅の56mmから半分の28mmを半径として面取りしていますが、このR28の数値を変えることで形状が変わってきます。

Rを小さくすると底面が平に近くなり、どっしりとした形状。大きくすると丸みが増してコロンとした形状になります。この形状がファスナー部の両端の形状になるわけです。また、このRの数値によって外装の幅が決まり、更には枠のサイズやファスナー部分のサイズも決まってきます。

Rの値を14mm、20mm、28mmとして、それぞれ外周を測ってみると

外装の横幅

R14⇒156mm
R20⇒150.8mm
R28⇒144mm

これが、外装の横幅となります。つまり、R28のコロンとした形状にしたら、外装は長さ200mm、幅144mmと決まるわけです。

例として、今回は高さ56mm横幅56mmで作図していきます。

外装の縦横のサイズが決まったら四隅の丸み角も決めておきましょう。
デブペンケースを横から見たときの【R】の部分です

今回はこの部分を『R32』としました。

これで外装は完了です。次は枠の作図です。

枠のサイズ

枠のサイズは外装が決まっているので、革の厚みが決まっていれば自動的にサイズは決定されます。

枠は外装に対して内側に丸め込まれる部分と直線で重なる部分があります。丸めこまれる部分は外装から内側に2mm(革の厚み)の複線を書くと長さが算出されます。

デブペンの場合、外装と枠が曲線で重なる部分は両サイドを縦から見た底の部分。残りは外装と枠が平行に重なっています。

上の画像ですと、曲線で重なる部分の外装が88mmですから、内側で重なる枠の部分の長さは81.7mmとなり、28mm+28mm+81.7mmで137.7mmが枠の横幅となります。長さは外装と同じ200mmです。

4隅の面取り角も外装と同じR32にします。枠の幅は16mmと決めてあるので内側に16mmの複線を引けば完成です。

Hiro
Hiro

革は丸めると外側が伸びて内側が縮むことになるので、本来なら革の厚みが2mmなら中間の1mmの複線にする方がよいと思います。
今回は分かりやすいように革の厚みで作図しています。

枠のサイズ

枠のサイズ:200x137.7mm
枠の幅:16mm
4隅:R32

ファスナー部分のサイズ

次はファスナー部分です。

ファスナー部分は枠との縫い代の長さを合わせます。

今回は、枠とファスナー部分の縫い代をコバから4mmとして計算してみます。

まず、枠の内側から4mmに複線を引きます。(黄色線)

この黄色線がファスナー部分との縫い代となります。
長さを測ると545mm。これを基にファスナー部分のサイズが決まります。
外装と枠の場合のように、枠とファスナー部分のの場合も、曲線で重なる部分が両サイドの底の部分。

ファスナー部分を1.6mm厚としているので、曲線部分の内側に1.6mmの複線を引いて長さを測ると76.7mm。枠の長さが81.7mmで、その差5mm。これが両サイドにあるので、ファスナー部分の縫い代は、枠の縫い代の長さより10mm短くなり535mmと決まります。

ファスナー部分の縫い代を535mmとして縫い代を書いてみると次のようになります。

コバからの縫い代の長さを4mmとしたので、この縫い代の外側に4mmの複線を引きます。

これでファスナー部分の全体が完成。

あとはファスナー部分を取り付ける部分ですが、ファスナーのサイズによって調整すれば良いかと思います。
今回は4号ファスナーを使用するとして、幅12mm、長さ200mmとしてみました。

これでファスナー部分の型紙の作図は完成です。

これまでの作業で出来た型紙がこちらとなります。

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最後に

基本的には、これまで行ってきた計算と作業で良いかと思います。
ただ、サイズ決定の計算プロセスを、文章で説明するとなると難しいですね。説明不足・説明下手の部分もあると思いますがご理解いただければ幸いです。

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