ヌメ革生成りで木型絞りの1本差しペンケースを作る時、下準備はどのようにしたらよいか?というのが今回のテーマ。
通常、前胴を形作る場合、革をぬるま湯などに浸してから木型で絞って・・・となるのですが、ヌメ革生成りの場合、革を染色したり、オイルを含ませたりする工程をいつ行うのか迷ったのですよね。
以前に作った時は、
- ヌメ革を染色
- 胴前パーツをぬるま湯に浸す
- 木型で絞る
- オイルを含ませる(ニートフットオイル等)
- レザーコートで仕上げ
という手順で行ったのですが、木型に色が移っているように、多少色が抜けるんですね。
前胴だけ色が違ってくるのはちょっといただけない。
そこで、今回はヌメ革に何もしないで、ぬるま湯に浸しただけで型にはめてみました。
以前の木型から色が移るかもしれなかったので、新しい木型を作ろうかとも思いましたが、結構手間がかかるので、今回はスチレンボードで型をつくってみました。
これがまたいい具合に出来るんですね。
出来上がったのがこちら。革は何も処理していないし、コバはヤスリで整えただけ。
ここからコバだけ磨いてから、全体にニートフットオイルを含ませてみました。
前胴の中は筆を差し込んで全体にオイルを。後で思えば、縫い合わせる前にオイルを塗っておいてもよかったかも。
そのまま何もしないで約2ヶ月。デスクの上に置いておいただけでこの色
その後1ヶ月たつと更にアメ色が濃くなり、かなり良い感じになってきました。
へたに染色などしない方が良いかなと思いましたね。今は『Collonil 1909』で、たまに手入れをする程度ですが、綺麗なヌメ革ならオイルだけで自然に味のある色になってくれるんだと思います。
今回、木型の代わりに使ったのが『スチレンボード』という、きめ細かい発泡スチロールのようなもの。ホームセンター等で扱っています。
簡単にカッターで切れるし、ヤスリで整形も楽にできます。それでいてある程度の強度もありますから、木型絞りの手始めとしては良いと思います。