イタリア製の高級レザーとして人気の高い「プエブロレザー」と、同じくスクラッチ仕上げで雰囲気のある「マヤレザー」。
どちらも日本の財布ブランドやクラフターに愛されていますが、実は入手性や流通の仕組み、革の性質に大きな違いがあります。
この記事では、両者の特徴から、日本でプエブロが手に入りにくい理由、「旧ブエブロ」という表記の正体、激安プエブロのカラクリまで、まとめて分かりやすく解説します。
プエブロレザーとマヤレザーの特徴

プエブロレザーは、イタリアの名門タンナー「バダラッシ・カルロ社」が伝統的なバケッタ製法で仕上げる高級牛革です。
最大の特徴は、銀面をヤスリで強く起毛させたザラザラした質感と、革の内部までしっかり浸透したオイルによる劇的なエイジング。
新品:和紙のようなザラザラしたマット質感
使い込み:色が濃くなり、強いツヤが出る
エイジングの変化が非常に大きく「最初はザラザラ、使うほど激変する革」
マヤレザー(Il Ponte)の特徴
マヤレザーは、イタリアのイル・ポンテ社が製造するスクラッチ系レザー。
プエブロと同じく銀面を削っていますが、バフで擦ってムラ感を出す仕上げが特徴です。
新品:マットでムラのある表情
使い込み:均一にツヤが出て落ち着いた雰囲気に
傷が目立ちにくく扱いやすく「最初から雰囲気が良く、徐々に整っていく革」
日本でマヤは買えるのに、プエブロが見つからない理由

レザークラフトをしていると、「マヤは普通に売っているのに、プエブロは全然見つからない」と感じる人が多いはずです。
その理由は、大きく分けて4つが挙げられます。
① タンナーの流通方針の違い
バダラッシ・カルロ(プエブロ)は伝統製法・高品質志向で生産量が限られる。
大口・既存取引が優先されるため個人クラフター向けの流通が少ない
イル・ポンテ(マヤ)は小ロット流通に積極的で日本のクラフト市場と相性が良い
そのため クラフトショップで普通に買える
② 革の扱いやすさの違い
プエブロは起毛が強くロット差が大きく、同じ色・表情で揃えにくい
裁断前の選別が必要なため プロ向け・ブランド向け素材
マヤはムラ感がデザインとして成立しており個体差が許容されやすい
小物向けに安定供給しており クラフト用として扱いやすい
③ 日本のクラフト市場の事情
日本のレザークラフト市場は個人クラフターが多いため小ロット・安定供給が重要。
④ プエブロは製品用に消費されている
プエブロは財布業界で非常に人気が高く、革として市場に出る前にブランドが買い切るケースが多い。 そのため、クラフト用の原皮としてはほとんど流通しない
「マヤショルダー(旧ブエブロ)」という表記の意味

一部のショップで「マヤ(旧プエブロ)」という表記を見かけたことがあります。僕はてっきりプエブロが名前をかえてマヤになったと思ったのですが・・・
結論から言うと、「旧プエブロ」というのは正式な名称ではなく販売側の説明用の通称です。
旧ブエブロと呼ばれる理由
- 見た目がプエブロに似ている
- 起毛感・ムラ・エイジングの方向性が近い
- 革の思想が近い。どちらもバケッタ系でラフな表情を活かす仕上げ
マーケティング的理由
- 「マヤ」より「プエブロ」の方が知名度が高いため “昔のプエブロっぽい革”として説明される
激安「プエブロレザー財布」が摘発されない理由
ネット通販では、数千円の「プエブロレザー財布」が大量に販売されています。
しかし、本物のプエブロがその価格で作れることはあり得ません。
では、なぜそのような物が販売できるのでしょうか?以下のようなカラクリが考えられます
① そもそもプエブロレザーは商標ではない
「プエブロレザー」という商標登録はされていない。更に規格も統一されていない
ということは、名乗ったもの勝ちといった状態
② 一部だけ本物を使えば「嘘ではない」
例えば、「マチだけ本物のプエブロを使用」し他は別革にしているとか。商品の表記としては完全にアウトとは言い切れない
③ スクラッチ加工の“似た革”をつかっている
スクラッチ加工の起毛させた革を使用した例は多数存在しているようです。
見た目だけなら「プエブロ風」は結構簡単に作れるらしいです。消費者には判別しにくいですよね
偽物をつかませられないために
本物のプエブロ財布の相場を知っておくとよいです。例えば・・
MR.OLIVE:2~3万円
池之端銀革店:3万円前後
Sot:3万円前後
こうしてみると数千円での販売は完全に不自然な価格だと感じます。
価格の他、本物を見分けるポイントとしては・・・
- 「イタリア・バダラッシカルロ社製」と明記
- Vera Pelle(イタリア植物タンニンなめし革協会)のタグ仕入れ証明が付属する場合もある
このあたりを注意してみるとよいかと思います
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